2016/01/30

マリー・エレン・マークの会話 1/3




マリー・エレン・マーク (Mary Ellen Mark (March 20,1940-2015)は、アメリカ東部のペンシルベニア州フィラデルフィア郊外のエルキンス・パークに生まれ、9歳からコダック製の箱型ブローニーで写真を撮り始めた。大学は名門ペンシルベニア大学に進み、絵画と芸術史を専攻する。62年に卒業したあといったん行政機関に勤めるが、すぐに復学して同大学アネンバーグコミュニケーション大学院でフォトジャーナリズムを学ぶ。その後、フルブライト奨学金を得て1年間トルコに滞在した。

このとき撮影した写真をきっかけに、写真の世界に足を踏みいれていくことになる。トルコの写真はたしかに見ていておもしろい。簡素な背景のなかで人物を撮 影したモノクロ写真は、彼らの日常を写し撮りながら、地上30㎝ほど日常から浮きあがった感じがする。それがちょっとしたユーモアであったり、スタイリッ シュな香辛料となって写真を個性的なものにしている。
画面からは余分なものが排除され、ストレートに被写体に向きあう彼女の姿勢が感じられる。にもかかわらず、そこにはカメラマンが往々にして対象に向けがちな挑むような視線ではなく、寄り添うような、あるいは相手に話しかけるような素朴さが感じられる。

このトルコ滞在のあと、エレン・マークは英国、ドイツ、ギリシア、イタリア、スペインを旅行。60年代後半にニューヨークに移り住み、ベトナム反戦デモから女性解放、トランスジェンダーなどをテーマに精力的に撮影に取り組んでいく。その行動力と社会的視線はすでに彼女の持ち味だったのだろう。  (つづく)


■関連本

    

0 件のコメント:

コメントを投稿