2015/11/13

サリー・マンと聖獣 1/2

童子の肖像は、ガラス細工だ。ヴァージニア州の自宅の庭で戯れる3人の子供たち。写真に映しだされたその姿は、ときにこの世の存在から乖離した美しさ、妖しさを漂わせ、ときに傷ついた野性の獣のように私たちの目に映る。サリー・マン(Sally Mann, 1951-) は、8×10ヴューカメラによって自身の子供たちを被写体に繊細な写真を撮った。


子供たちはほとんどの場合、裸体かそれに近い格好で、怪我をしていたり病気で寝ている姿で登場することもある。彼女は生まれ育ったヴァージニア州で家族と田園生活を送りながら、これらの写真を撮り続け、写真集『Immediate Family』 にまとめた。サリー・マンの人気を決定づけた1冊だ。

しかし、児童のヌードなどを撮影しているとして、保守的なキリスト教原理主義者に幼児虐待ポルノだと激しく非難されたことも事実です。その過程を丹念に撮影したドキュメンタリー短編映画『血の絆』は、糾弾側と擁護側それぞれに取材しつつ、それらの論争の彼方で流れる一家の日常生活と彼女の作品を描いた秀作でした。    (つづく)

■写真集

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