2013/07/15

ルシール・フェーレマンスの生命力

ルシール・フェーレマンス(Lucille Feremans,1950 -) はベルギー生まれの写真家で、パワフルで現代的な生命力を感じさせる女性像がその特徴をよくあらわしている。鮮明な色彩、ポラロイドやデジタル技術を用いたいくぶんエキセントリックなイメージ。それらが彼女の写真に、一見浅薄で表層的な刺激を与えると同時に、その裏でゆらめく現代的感覚を付加している。
現代的感覚というのはいかにも抽象的な言い方だ。もう少し詳しくいえば、かつてに比べてそのエネルギーが幾何級数的に増大している状況にあって、そのエネルギーの裏にある不可解なものとでいえばいいだろうか。不安というほど分かりやすいものではなく、正体不明の感覚でもある。

フェーレマンスは独学で写真を学び、商業写真などの分野でキャリアを重ねてきた。同時に、人間のボディの美しさに関心を示し、モノクロ撮影によるきわめて精巧なヌード写真でも知られる。女性が撮った女性の裸ということで、そこには扇情的な視線はほとんど感じられない。むしろ身体そのものへの関心、そこから産み出される生命というものが写真からイメージされる。つまり健全さが先に立つ。
そこから発展して、カラーによる上記のような写真を撮影しているのだが、個人的にはどうもすっきりしすぎている印象が拭えない。コマーシャリズムのなかで、その技巧が洗練されすぎたということもあるのかもしれない。もう少し深く突き刺さってくるものが見たい気もする。(050725)


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