2012/05/19

ラリー・クラークという未完 2/2

雑誌「ニューヨーカー」に「まるでパンク・ピカソのようだ」と紹介されたラリー・クラークは、オクラハマ州の小さな町タルサ生まれた。71年に自叙伝的作品『タルサ』(tulsa)を発表。そこでは、ラリー自身を含め、暴力、銃、セックス、麻薬に溺れる若者たちの、無軌道な青春が克明に写し撮られていた。

これらの写真の斬新さは、10代の不良たちを撮ったことにあるのではなく、ラリーが彼らと同じ目線に立っていたことにある。

ところが、次作『ティーンエイジ・ラスト』(teenage lust)の発表は12年後。その間には、傷害事件と執行猶予中の銃不法所持で5年の服役生活を送っている。気になるのは、そうした経歴ではなく、この作品から受ける印象が前作『タルサ』とはあまりに異なることだ。

無軌道な青春を写し撮った『タルサ』は、その題材に反してむしろ静かで、端正なポートレイト集という面持ちだった。ところが、『ティーンエイジ・ラスト』では画面は揺れ動き、雑誌の切り抜きが挿入され、はては自身の自伝めいた告白が長々と掲載されている。ある種のストイックさが、やがて乱れていく過程もまた、どこかあのタイソンの、その後の経歴と重ならないではない。さらには、現在もなおふたりが未完であり、おそらくは永遠に未完であることを宿命づけられていることだろう。
ただ、ふりかえってみれば激しい変動のあった生活が、どこか不思議な静謐さを秘めて感じられるのは、これら2つの写真集にも共通している。 

2002年には映画『Ken Park』という問題作を監督した。過激な表現ゆえに米国でも上映が延期されたという。


■作品集
Tulsa
Kids

  

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