2010/10/04

ダイクストラ、海辺の少年少女たち 1

オランダの女性の写真家リネケ・ダイクストラ(Rineke Dijkstra, 1959-)の作品には、ある種の神々しさが宿っている。ティーンエージャーを含めた若者たちのポートレートを主にカラーで撮影しているが、全体的に色調は淡く、人生の過渡期にある彼らの浮遊感がまるで思い出をつづるように写しとられている。

彼女の名が一躍世界に知られるようになったきっかけは、海辺の少年や少女たちを撮影したポートレートをはじめとした写真集だった。白っぽくかすんだ曇り空を背景に、やや補助光を浴びせられた思春期前の少年少女たちが写っている。
アングルはやや下からで、被写体を見上げる格好だ。それが背伸びをしているような、どこか安定感を欠いた被写体の姿を映しだしていて、画面全体からには違和感のようなものが漂っている。この違和感は、作者が意図しているところだろう。まだ固定されていない若者の不確かさを、ダイクストラは写真技法によって描きだしている。


このほかフランス外人部隊新兵を、2年ごとに撮影した作品などもある。身体が変化し、なにかも経験し、身体が変わり、精神も変化していくその柔らかさが、初々しいというよりも妖しい。不安で、危うい存在といっていいだろう。
いわばボーダーにいる若い人間のドキュメントであり、なんらかの境界がテーマになっている。 (つづく)

0 件のコメント:

コメントを投稿